生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
「………………千紗?」
どのくらい泣いたのか分からないが、頭がクラクラするのに、タツキの声が鮮明に入ってくる。
「ごめん。今俺、自分落ち着かせてて……」
ごめんね、と。
優しく小さな子をあやすように、私を抱きしめる。
それは、私が求めていたような、優しくて温かくて安心できるタツキの腕の中。
私がタツキの背中に手を回したのをきっかけに、身体が宙に浮く感覚があって。
でも、きゃあとか、もうそんな可愛らしい声なんて出せなくて、タツキにしがみつく。
トスンと下ろされた場所は、ベッドの上で。
「ほら、さっき。雄太郎が千紗抱きしめたでしょ? ヒドイよね。兄貴が久しぶりに彼女とイチャイチャ出来ると思ってる目の前で抱きしめるなんてさ」
拗ねた感じのタツキは、ちゅっと額にキスをして。
「話してくれる?4年前のことと今日あったこと」
さっきとは打って変わって、真剣な声色。
そう切り出された私は、動揺するしかなくて、タツキから離れた。