生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「やっぱり、バレそうじゃなかったんじゃん」

「……うん。でも、その作戦をしなかったら確実にバレてたの」

 少し納得の出来ないような表情をするタツキは、左手を伸ばし私の頭を撫でた。

 そして、その左手は後頭部に移動し、そのまま私を抱き寄せる。

 私の額はちょうどタツキの肩に触れていて、そこからかすかにトクントクンと心音が響く。

「今日あったこと、話せる?」

「…………なるべくなら話したくない。でも、タツキは知りたい、よね?」

「うん。知りたい」

 覚悟を決めた私はポツリポツリ、話し始めた。

 たまに言葉に詰まると、ぎゅうと抱きしめて「ゆっくりでいいよ」と囁く。

 学校でのこと話している間、キスのことについては執拗に聞いてくる。

 嫌がる私そっちのけで、どのくらい長くとか舌は?とか。

 どれも私の中で悪夢なのに、それを引っ掻き回すように聞いてくるタツキに。

「どうしてそんなこと聞くの?」

 とたまらず聞けば、「念のためだよ」と一言。

 ……もしかして、本当のことを言えば言うだけ、嫌われているのかしら。


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