生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「千紗?ちゃんと聞いて。
佐野って奴にやられたことだって、千紗が求めたことじゃないだろ? それに、千紗は佐野のことが好き?」

「………き、らいっ。私はっ……タツキが好、き……」

「俺も千紗が好き。それじゃ、ダメ?」

「ダメ、じゃない……」

「俺の気持ちは変わらないよ。俺は、千紗を愛してる。 だから、結婚して?」

 そんな、ずるいよ……。

 両手で顔を覆い泣きじゃくる私は、グッと前にバランスを崩した。

 バランスを崩したその先には、熱くトクントクンと早まる鼓動が響く。

「……千紗、顔上げて。返事、聞かせて?」

 タツキの腕の中で、両手を退かしタツキを見上げた。

 私が断らないことを知ってるくせに、どうして返事なんて聞こうとするの?

 返事なんて………ひとつしかないわ。

「……は、い……」

 擦れる声で呟き、近づく顔に自然と目を瞑り、キスを待つ。


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