生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
『……続いて、新生徒会役員の紹介』
眠っていた生徒が頭を上げ誰が新生徒会役員に指名されたのか確認するかのように首を伸ばす。
まぁ、新生徒会役員が誰なのかは指名された本人と旧生徒会役員しか知らないため気になるのは分かる。
普通だったら私もステージではなく皆と同じように体育館のフロアに座っていたはずだったのに。
ステージの端で待機していた私たちに向かって旧生徒会役員の先輩が合図をした。
『新生徒会役員4名を紹介します。新生徒会役員の方は、ステージの真ん中へ移動して下さい』
指示どおりにステージの真ん中へ移動する。
4人が並び終わると同時にキャァァァっと黄色い声が響く。
『静かにしてください。
では、新生徒会役員の方、挨拶をお願いします』
マイクを渡され一歩前に出て静かに頭を下げる。
『…新生徒会会長を任命されてしまった2年、坂桑千紗です。
生徒会長を望んでなったわけではありませんが、出来る限りの力を出したいと思っています。
よろしくお願いします』
最後に、また頭を下げキャァァァと黄色い声と共に頭を上げ私を陥れた人物を見ればせせら笑っていた。
「ちぃ、人気あるねっ?ちょっと意外かも」
一歩下がり右隣を見れば頭をポリポリと掻きながら少し私を見上げるこの女。
「はい、次」
それだけを言いマイクを渡せば再び黄色い声が響く。