生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
「ニャー」
コマチさんの「なにボケっとしてるのよ!着いたわよ」のひと鳴きが聞こえ、庭から部屋へ頭を動かす。
ほらね。この長い廊下も庭を見てれば、長く感じない。
コマチさんが出入り出来るくらい開いている引き戸に手をかけ、静かに右にずらした。
「ただいまー、ってやっぱ寝てる」
ベッドの上で布団をかけずに寝ている千紗を、揺すって起こす。
少しの間揺すっていると「うーん……」となんとも色っぽい声。
キスして起こそうかなと思ったが、後ろでコマチさんがしっぽをパタ、パタと上下させている。
しかも、細目で。
こりゃあ、コマチさんに飛び付かれ、引っ掻かれるなと思いキスを断念した。
「ちーさー、ちーさー、ちーさー」
ゆさゆさと千紗を揺する。
あぁ、無防備。ホントに、無防備。
襲うぞ?コノヤロー!
俺の願いが叶ったのか「ううーん」と目を擦り起き上がる千紗。