生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
「「あ…」」
二人して顔を見合わせている。
特に慌てる様子もなく、雄太郎は「入ったら閉めて」と促した。
雄太郎の言われた通り、生徒会室に一歩踏み入れ、静かにドアを閉める。
なんだか、来てはいけないトコロに来てしまったみたい。
この二人の関係はすっごく気になるけど………。
雄太郎に目を遣るといつものように微笑んでいる。
二人に気付かれないように息を吐き出し「邪魔みたいだから帰るわ」と言おうとした時。
「千紗に言ってないの?」
私から目を離さずに雄太郎がタツキに聞けば、静かに「うん」と頷く。
「…私に何を言ってないの?
聞いてはいけないこと?なら、聞かないけど……」
「いや、言わなきゃいけないことなんだ」
少し困ったような表情のタツキは、「こっちきて」と手招きする。
ドアの前に立っていた私は、脚を動かしタツキの横にあるイスに向かう
若干、ピリピリとしたこの雰囲気に負けてしまいそう。
なんだか、すごいことを発表しそうなタツキの表情に触れたくなった。
ゆっくりと開かれた唇は、静かに息を吸う。
「……俺と雄太郎は異母兄弟なんだ」