生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


 並んで歩くとなんだか不思議な感じ。

 さほどタツキと変わらない身長。でも、タツキより身軽そう。

 バスケ部だから?

 っていうか、雄太郎がバスケしてるとこなんて見たことないわね。

 ふと、隣にいる雄太郎の横顔を見る。

 大きめな目に運動部らしいさっぱりとした黒髪。
 中部だからか、白く肌荒れなんて怖くない、みたいなツルツルとした肌。

 こんなのが、タツキの弟?

 まぁ、半分しか血は繋がってないだろうけど。

 本当、どっかの監督みたいに『シンジラレナーイ』って叫んでやろうかしら。

「いやんっ。そんなに見ないでっ。ボク、照れちゃうっ」

「気持ち悪い。吐きそう。殴りたい。『ボク』とか言わないで」

「ハハッ!だって、見すぎなんだよ」

「タクがいたら、10メートルくらい飛んでたわよ」

「そうかもね」

 二人でクスクス笑いながら玄関から出て正門へと向かう。


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