生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「ごめん。意味分かんない」

「似てるのよ。そこだけ」

「うん。分かんない」

「あぁ、でも。血が繋がってるから似てるんじゃないと思うのよ」

「へ?さらにわけ分かんないよ」

「繋がってない部分っていうのかしら?」

「……つまり、母親の血ってこと?」

「そうね……」

 タツキのお母さん。きっと、お父さんに愛人がいることくらい分かってたわ。

 だけど、別れなかった。

 子供がいたからじゃない。いなくても、あの人なら『愛してるのよ』って優しい笑顔で言うわ。

 雄太郎のお母さんだって、愛する人と決して結ばれない。

 でも、それを分かっていながらも雄太郎を産むことを決意した。

 器が大きくなければ、到底耐えきれないだろう。

 もし、器が大きくなかったら。

 互いを恨み嫌い軽蔑するだろう。

 そして、自分の子供らにそれを埋め込む。

 うわ、悪循環じゃない。


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