時には、こんな始まり方も
「お待たせ。」


悶々と考え込んでいたら、マサ君が正面に座った。


「あ、ありがと。」


つい、小声になってしまった。


だって、今の私の考えが合ってるとしたら…。


きっとマサ君は、こう言うはず。


"昨日の事は無かった事にして欲しい"

って。



どうしよう。

なんだか頭がくらくらしてきた。


だけど、私の心境なんて全く知らないマサ君。

「ベーグルとクロワッサンも買って来たけど、食べる?それともミルクレープが良かった?」

なんてのんきな話をしてるし。




なんか、冷や汗も出てきた。


あぁ。
同じフラれるなら、ちゃんとシラフの時に真剣に告白したかった。

自分が告白した事も、そういう関係になった事も覚えてないのにフラれちゃうなんて、私ってば惨め過ぎない!?


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