ボクと僕。
僕達はお祭り用の仮設ベンチに座った




上原が買ってきたたこ焼きは確かに美味しかった…と思う


だって、隣りに座って本当に美味しそうに食べている上原が…


僕にたこ焼きの味をわからなくしていた




「ごめんね…疲れてない?大丈夫…?」


僕の顔をみるなり、食べる手を止めてそう言ってきた



変なこと考えふけっていた顔が
上原にはそう見えたのだろう





そんなことないよ。
僕は楽しいし、お祭りなんて久しぶりだからね。



「そっか…よかった」

そんな一言で安心したのか、上原の視線はたこ焼きに戻った





今なら聞けるかな


ねぇ…上原。



「…?」
〈ポツ…ポツ…〉



ヤバい!雨降ってきた!




「あ。ホントだね…って、わっ!?ちょっと!?」







通り雨にしては…タイミングが良すぎるだろう…
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