ボクと僕。
僕は上原を引っ張って、お祭り休業らしいお店のアーチ下で雨宿りすることにした




お祭りは混乱していて、
みんな雨から急いで逃げるのに必死だった



一足早く避難していた僕達は、
そんな風景をまるで他人ごとのように見ていた…




と、急に上原が落ち着かなくなった


どうしたの…?



「んーん!何でも…ないから…」


…そう?


…って…



雨から逃げるのに必死なのは僕達も同じだったらしい…





気がつけば…僕は上原の手を握り、ここまで引っ張ってきたらしかった…



手は…今も繋いだままだったんだ…



急に手をはなすのも…意識してるように思われそうで難しいことだ




と、突然思い出した上原が動いた


「あ!タオルあるから!」


その一瞬で、僕はようやく手をはなすことができた















雨は…止む気配はなかった
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