ボクと僕。
「そういえば…」


上原が何かを思い出したように切り出してきた




「『ね。あの時』…なんて言おうとしてたの…?」



『あの時』…って…どのときですか…?




「もぉ~!」

怒ってる。
怒ってる…けど…かわい…ぃ!?


<ビシッ>

上原の…痛恨の一撃。
目にもとまらぬスピードでチョップが振ってきた…

僕は…ダメージを…


「ほらっ。お祭りの時に…!」



お祭り…って…




「雨降ってきちゃったでしょ…?あの時だよ…」





あ!思い出した…





いや、あの時…なんで僕なのかなって…




「…え!?あ、…~とぉ…ん~;」

なんだなんだ…なんでそんなに考える…!?




<じーーーーーーーーー>


きっと上原の僕を見てる視線に効果音をつけるならこういう音なんだろな…




「ス……て」




…え?





「教えて欲しいなら…」


上原…顔が赤いぞ…?



<ビシッ>


2度目でも痛恨の一撃。



というか…顔が赤くなってからあからさまに僕を見ないのは…












ごめん…上原



悪気はないんだけど…もう一回言ってくれないかな…?
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