ボクと僕。
助かった…と僕は思った




ハルカ!?あの…っさ!
よくわかんないんだけど坂田が泣いてて…



「え…あの…ごめんっ!」

そう言ってダッシュで僕らの横を走っていってしまった…!



ちょ!?待ってって!



慌てて追いかけようにも、坂田を置いていく訳にはいかない…し…;







とりあえず坂田さえ落ち着けばハルカには説明もしてもらえるだろう…



雨さえ…降ってなければ…

















閉館まで後1時間はあるからと、僕は坂田を連れて図書館に残った
坂田は少し落ち着いた様子だった


とにかく事情を聞かないことには始まらない

なぁ…どうしたんだよ一体…;





う…坂田は今にも泣きそうな顔だ…




「…んたには…関係…い…」



関係ないなら泣きついたりしないだろ…?
どうしたのか言わないと僕も困るんだけど…さ



「フラれたの…」
唐突に言われた…


え…



坂田は僕のリアクションが気にくわないのかキッとにらみながらもう一度

「だから…フラれた…の…」



誰に?…なんてことは聞けない…聞くまでもない…
そうか…納得…



「タクミ…まだハルカ…好きなんだって…」



おいおい…ホントかよ…;
じゃああれは冗談のようで冗談じゃなかったのかよ…



坂田の話は終わってなかった



「私も…ホントは…………」














…閉館時間になって

…帰るころには雨は止んでいた…
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