ボクと僕。
ぽっつ~~~~ん…


だだっ広いリビングに…僕は一人だった…。




坂田は僕を招き入れ、ここに残してどこかへ行ってしまった…








なんていうか…

言われるがままに坂田の家に来たものの…僕は…



「なーに固まってんの…よっ!」

バシッ!


後頭部に平手が飛んできた…




コノヤロウッ!何すんだ!…よ…?

と、振り返ったそこにいた坂田は…見たこともない坂田だった。





黒を基調とした大人っぽいワンピースに…

対照的な…白い…エプロン…






お、お前はだれだっ!?



ピンッ!

先制のデコピンが額にヒット…結構痛い…





「なーにバカ言ってんの。ちょっと時間かかるからその辺でテキトーにくつろいでて」

そう言うと坂田はリビングの向こう、キッチンスペースに移動すると…なんか気合を入れていた





テキトーって言われても…
他人の家って…落ち着くもんじゃないだろ…

見慣れない部屋。見慣れない家具。見慣れない天井。見慣れない窓の外。


とりあえずテレビをつけると…なぜか大相撲がやっていて…

普段は見もしないのに…


なぜか今日は没頭するようにして見ていることで…



自分の置かれている状況から逃避することにした…。






…一時間くらいたった…

大相撲は終わってしまい、本当にすることがなくなってしまった…



そうだ!と思い立って、坂田の様子を見にキッチンへと行ってみた




「ん~?何よ。ちゃんと食べれるもの作ってるからあっちに行ってなさいよ」

そう言う口調こそいつもの坂田だけど、意識は手元。料理に集中しているのがよくわかった



…っていうか、凄く手際が良くて…ビビる。




突っ立ってられると邪魔。と追い出されてしまったが、遠くからでも動きを見ているとやっぱりテキパキと…手慣れていた


格好が格好なだけに、まるで主婦のように…見えた。



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