ボクと僕。
ふぅ…食った食った…。
「はい、お粗末様。っていうかホントに全部食べたのね」
驚いた表情で僕を見ながら坂田はお茶を出してくれた
いや、だって残すなって…脅したのは誰だよ…;
「ひっどーい。誰も脅してなんかないわよっ」
フーンだって、きびすを返してキッチンへ行ってしまった
サー…カチャカチャ…
って…水音と共に食器のぶつかる音…
待て待て!洗い物くらい手伝うって…!
「ぁーはいはい。うるっさいわね。客は黙ってなさいって」
またも閉め出し…。
せめてもう少し優しくさぁ…って、言いかけて…やめた
やっぱり手慣れた感じで次々とキレイになっていく食器類をみてると…僕が入る余地はなさそうだったからだ…
洗い物が終わると、リビングに二人っきりになった
…そういえば、なんで今日、誘ったんだ…?
と、素朴な疑問。
「ん。まぁ…いいじゃん。今日はそんな気分だったのよ」
ふむ…そんなもんですか…。
「それに…今日は両親も帰ってこないからね~…」
どことなく…寂しそうな顔を浮かべた坂田が…
って、今何時だ!?
「ん、8時過ぎ。どーかしたの?」
い、いや…ボチボチ帰るかなって…さ
って言っても…帰っても僕の家も同じだ。今日両親は帰ってこない。
「あ…そうだよね。」
急に声のトーンが落ちた。
今度、お礼するからさ。って言って僕は坂田の家を出た。
道路まで出てきた坂田は「10倍返しねー!」なんて言いながら見送ってくれた
僕は、なんとなく、家までの道を走って帰った。
明日からまたハルカと地獄の特訓。頑張ろう!
…そんなことを思いながら…