貴方に捧ぐ初恋
女の子たちに囲まれて、私は戸惑う。
1年のクラスには、ポートのチームメイトがほかに2人いた。
その子達も戸惑っているようだ。
「ねぇ、それって中田さんでしょ?」
私は、そうは思ってなかった。
私が安心してゴールができたのはもう一人のゴールがいたから…。
「どこで聞いたの?」
私はその女の子に聞いた。
「コーチがよく私に言ってたんだ。」
「でも、私じゃないと思うよ?愛流(メグル)ちゃんじゃない?」
愛流ちゃんとはもう一人のゴールの子の名前。
「メグルちゃん?」
「あっ、酒井さん。5組の…」
「そうなんだ。でも、一つだけ聞いていい?」
その女の子は私に聞いた。
「中田さんと酒井さん、どっちの方が背、高い?」
そのときは、酒井さんより私の方が背、高かった。
「私だけど…。」
その女の子が、確信を持って言った。
「じゃぁ、中田さんだよ。いつもコーチ言ってたし、M小の背の高い方のゴールだって。中田さん、有名なんだよ?」
初めのころは良かったんだ。
こんな名誉的な噂だったから…。
そんな噂がどんどん変化していく。