貴方に捧ぐ初恋
「じゃぁ、今日の授業は終わり。英語のテスト返す。4以上は居残りなぁ。」
うちの塾の決まり。
毎回、英語の単語テストがあって、先生が指定した数より間違ってたら居残り。
私の手元に返ってきたのは『6』と書かれた答案。
また居残り?
どう頑張っても合格出来ない。
俯いて、何が間違っているか確認してると…。
「中田、お前、また駄目だったのか?バカだなぁ。ホント、バ~カ。」
「なべはどうだったのよ!合格したの?」
見られたことが恥ずかしくて、逆に見てやろうと思ったら…、
「…なんの事だ?俺が合格して…」
威張ろうとしていたのか?
でも、言い切るまでに先生が口を挟む。
「中田、うるさいぞ。中田、なべ、合格出来るまで、居残りしろよ!」