貴方に捧ぐ初恋
「でも、さく、初恋話は途中でしょ?カラオケは歌わないから、さくがマイクで話すのよ?」
「そうよね。今まで、自分の恋バナ話さなかった罰よ!!」
妃菜と麗夏ちゃんはそんな風に言う。
「そんなぁ。聞かれなかったから言わなかったのに…。」
こうやって話をできるのも、後1年。
一年も経てば、私たちはまったく違う社会へ旅立つ。
でも、この一年はきっと余裕などない。
卒業論文、妃菜の教員採用試験、麗華ちゃんの就職活動、私の国家試験。
「嘘だから…!!じゃぁ、行きますか?」
「「は~い!!了解!!行きます!!」」
そして、私たちは、ネオン輝く街へ躍り出た。
そのネオンは私たちの進む道を教えてくれているように、光り輝いていた…。
私の初恋も、こんな風に道しるべがあったら…。
そう思っている時点で、弱気だったんだね。。。