貴方に捧ぐ初恋



「そうだ、遅くなったけど、バレンタインの友チョコ!!」



女の子たちに、手作りのお菓子を持っていく。



男子たちは



「俺たちにはないの?」



もちろんなかった。



でも、不思議なことが起こった。



人数通りに持っていたはずなのに…。



袋が一つ余った。



その様子を見て、塚本が言った。



「それ、なべに渡したら?」




首を振り、私は何も言わなかった。



「チャンスだろ?渡しに行けよ!!」



「チャンスかもしれないけど、今の関係のままが良い。」



渡せなかった。



初めから最後まで、私は友達で終わらすつもりだったから…。



嘘だ。



友達で終わらせたくはなかった。



でも、勇気がなかった。



今の関係を壊すことが怖かった。



そう思った日。



でも、行く塾の日の限りは決まっている。



後、1回。





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