keep smiling
第一章
なごり
春。
吹き抜ける風と共に
桜吹雪が舞いあがった。
林千尋。
中学2年生になったばかり。
春休みの部活練習で
いつも学校に来ていたと
いうのに何故か今日は
いつもと違う気がした。
「クラス掲示見に行こう!」
「あ、うん」
部活の友達に引っ張られて
人だかりの方へと歩きだした。
何でいつもと違うのか。
ただ単に、今日が始業式
だからじゃない。
大好きだった先輩は
もういないから。