チョコと焼酎~   st.valentin



モッズコートをはおった竜二が、ドアを開けて入ってきた。


「飲んでるのか。

休肝日は、もう終わり?」

コートの下から、素足が伸びている。

「うん。

てかさ、危ないよ、その格好。

路上の変態じゃん!」

苦笑いの私に、バッとコートを開いて見せる。


「大丈夫、パンツ穿いてっから」


「やめてよ。

バカッ!」


顔を背ける私の隣に座って、

「服着るには早いし、仕方ないだろ。

今度来る時は、ジャージ持ってこよ」


ニヤケて言われてもね。


「みずきだって、1枚着てるだけじゃん。

誘ってんだろ?」

腰に手を回してくる。
「あっ!ビール溢れるって!

バカ!」

私の手に溢れたビールを、竜二が舐めた。

「あー、やっぱ苦くてダメだ。

なんか、他のない?」

冷蔵庫を開けた竜二が、嬉しそうに振り返った。



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