チョコと焼酎~
st.valentin
「………さむい」
起きた!
「柴田、大丈夫?」
私は、隣のソファに寝ている竜二に、自分のタオルケットも掛けた。
「お水飲む?」
「香坂?
寒い。
抱き締めて」
はあ?
「な、何言ってんの?
ばっかじゃないの!」
酔ってんのか?
からかってんのか?
「わめかないで。
頭に響く。
酒飲ませたオマエのせいだろ」
声が弱々しい。
罪悪感
「わ、わかったわよ!」
竜二の横に座って、タオルケットの上から抱き締めた。
「ゴメンね。
まさか、飲めないなんて思わなくて。
具合どう?」
竜二は、目を閉じたまま答える。
「だいぶ良くなった。
今何時?」
「朝の4時」
「水、ちょうだい?」
具合悪いからかな。
いつもと違うみたい。
なんか、声が優しくて、口調が柔らかい。
私は、テーブルの上からペットボトルを取って蓋を開けて竜二に渡した。
ゴクゴクと飲む度に動く、目の前の喉仏を見ていると、ちゃんと生きてるんだって実感して、ホッとした。
安心したら、睡魔の餌食になった。