チョコと焼酎~
st.valentin
空いてる席探してる。
ひとりかな?
名前…?
「えっと、ここ座る?」
百合亜が、びっくりして私を見てるけど、まあいっか。
6人掛けに2人で座ってるんだし、ひとつあけて座ればいいじゃん。
「よかったらどうぞ」
「あっ、ありがと」
そう言って、彼が座った。
テーブルの下で、百合亜が私の脛を蹴って目配せする。
彼から見えない様に頬杖で隠しながら、声を出さずに唇を動かす。
『だれ?』
『さあ?』
私は、百合亜に睨まれて、肩をすぼませ、彼に話しかけた。
「あの、確か同じ講座だったと思うんだけど…」
「……?」