チョコと焼酎~   st.valentin



カニ雑炊食わせろとか、まだ話があるとか言ってる竜二にお土産の袋を押し付けて、玄関の鍵をかけた。




最低だな、私。




竜二と居た時間、たった2時間。



短くて長かった。


長いと思って追い帰したのに、もっと一緒に居たかったと、心が訴えて、胸を締め付ける。




しばらくその場から動けなかった。




その日は、頭の中を、今日1日の事がグルグルとリピートして、結局寝付けなくて。


寝酒のおつまみは、竜二が置いて行った生キャラメル。


甘い筈なのに、口の中で涙と混ざってしょっぱかった。


そして、翌朝、取り残されたカニ雑炊は、ビックリする程膨らんでいて、情けない気持ちがそれ以上に倍増した。



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