チョコと焼酎~   st.valentin



「あんたの事、一番心配してんのは、柴田だよ?」


竜二が?


「あいつ、見てらんない位落ち込んでんだけど?


あんた達、どうなってんの?」



どうなってんの、って言われても……。


「どうなんだろう?


わかんない。


私、……私もわかんないの。」



もうダメ。


上手なウソなんて思いつかないし、なにより、もう自分自身が限界だったのかな?



ユリアに、何もかもブチまけて楽になりたかった。



だから、手遅れな思いも、ドス黒く渦巻く嫉妬心も、後悔の嵐も、涙と一緒に吐き出してしまった。


ユリアに、背中を撫でられながら。



< 68 / 116 >

この作品をシェア

pagetop