チョコと焼酎~
st.valentin
頭を撫でてくれるユリアの手が心地好い。
「ミズキは、おバカだね。
素直になればいいでしょ」
私の気持ちを伝えたら、その場でさよなら、でしょ?
今は、その内以前の様に喋れるかも、って微かな期待も持てる。
でも、ゴメン、なんて言われたら、もう立ち直れないよ。
「無理だよ。
できない」
「振られるのが、怖い?
ミズキらしくないね。
体当たりバスケのミズキでしょ?
ファールの鬼じゃなかった?」
………褒められてないよね。
なんか、
「慰められてる気がしないんだけど?」
「慰めてないし!」
えっ?
ユリアの顔を、ジッと見る。
私の目を真っ直ぐに見ながら、優しく微笑んでる。
「私は、ミズキを励ましたいの。
自分に自信を持って、ぶつかってほしい」
ぶつかるって、
「当たって砕けろ!
ってこと?」