チョコと焼酎~   st.valentin



うつむきがちな私の顎を、ユリアが左手で持ち上げて、私の瞳を覗きこむ。


綺麗なユリアにそんな事されたら、女の私だってドキドキするよ!

まさか、キスされる、なんてことは無いだろうけど。



「顔を上げなさい。


うつむいて下ばかり向いてるから、周りが見えないでしょーが!」

どーゆーこと?


「大事なものを見落としてるよ。


素直になって、柴田と向き合わなきゃ。

試験終わったら、本当に会えなくなるかもよ」


脅し?


「今更、どうすれば良いのかな?



って、イッタァーッ!」


ユリアに、思いっきり背中叩かれた!


「今時、幼稚園児でもやってるじゃん。


まっ、頑張って!」



そう言って、手を振りながら立ち去る百合亜は、カッコ良すぎる!

あんな、良い女だったら、自信持って告白なんてのもできるんだろうけど、ね!



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