チョコと焼酎~   st.valentin



「イヤだ。

行かないで!」



私は、顔を伏せたまま竜二の腕を掴んでいた。



竜二は、振り払いもせず、黙ったまま立ち尽くしている。


きっと戸惑っている。

きっと困っている。


きっと嫌がっている。


ジェイソン、







終わった?



「ゴメン」


竜二の一言に凍りつく私。


やっぱり。

ガックリと手を離した。


「バイバイ」


そう言うのが、やっとだった。



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