チョコと焼酎~   st.valentin



何が起きてるの?


竜二に抱き締められてる躰が、自分のものじゃないみたいに感覚がなくなって、うまく力が入らない。


蓋を持つ手が震える。


その手を、竜二が握ってくれた。


竜二の暖かさが伝わって、夢じゃないんだと安心する。


竜二に握られた手で、チョコをつまむ。


竜二は、私の指ごと、チョコを食べた。



「おいしい!

今まで食べたチョコで、一番!」


まさか、私を受け入れてくれるなんて、思ってなかった。


嬉しすぎて、涙が溢れでた。


もう限界で、力が抜けた躰を、竜二に預ける。



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