*制服のボタン*I love it forever*
2学期が始まった。
朝から不機嫌な俺の雰囲気を察してか、誰も近付かない。
つうか、近付けないのか…
くだらない始業式の体育館の中、チラチラ俺に視線を向ける奴もいた。
「何か陵弥、見られてねぇ…」
って、卓。
「あ…知らねぇし…」
不機嫌な俺に卓が呆れて。
「はああー…ご機嫌斜めかよ…」
校長の長い話しなんか、一つも耳に入る訳もなく。
ただ、凜花の姿を探していた。
目立つ凜花が見つからない。
俺を避けて休んだ…?…
始業式を終え、体育館を出ると卓が。
「あっ沙織と…凜花…ちゃん…?」
沙織ちゃんに手を振ったはずの手が止まり、固まった。
向かい側に…凜花…?…
俺の全身から血の気が引く様な感覚……
目が合ったはずの凜花が、人波に紛れた。
…何で…何でだ… 凜花…
俺は凜花を追いかけていた。
人波を掻き分ける様に歩く凜花の腕に手を伸ばした。
立ち止まり、振り向く凜花……
通路を渡る人波が、俺と凜花を避けるように過ぎて行く…
「…何?…」
素っ気なく言う凜花に。
「いいからッ来いッ!!」