*制服のボタン*I love it forever*

凜花の待つ下駄箱で、いつもと様子の違う凜花。


目の前には幸樹。


「幸樹…お前何かした?」

俺に気付いた幸樹がニコッと笑った。



……コイツ…凜花に何かした……

凜花が引き吊ってる……

凜花を強引に引っ張って歩き出す俺。



「だ、大丈夫。何もされてない…」




そう言った凜花の声が僅かに震えていた。



何に動揺しているのか……

………幸樹……か…?

アイツに振り回されてる?


まさか凜花が…俺より………幸樹……?



……は、ないな…


凜花が俺の手をギュッと握り返す。




「陵弥…私の家まで来る…?」


……驚いた…

不安な顔をして…
今にも泣きそうな顔で……

「誘ってんの…」



そう言うと凜花は。



「…ぅん…」



と小さく頷いた。



……凜花…?…



やっぱり…凜花が動揺している……



凜花の家まで、ずっと無言のまま歩いた。




握りしめた手を時々、凜花が強く握り返す。



今直ぐにでも、抱きしめてやりたかった。



受け止めてやるから……



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