500年の復讐



 異端審問官が取り出したのは首のない体だった。血が滴っていて黒い服が赤い液体に染まる。

「どうだ?『あの子』の体。最後に聞く。この子の体にこの斧の刃が入る。お前は魔女か?」
「やめて」
 顔を背ける。

「母親とはこういう物なのか―――可愛そうに。私が楽しくしてあげよう―――」

 異端審問官は斧を高々と揚げ、振り下ろした。



< 10 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop