500年の復讐
ミセス・ラベット
時計はいつの間にか8時を回っていた。
「あら大変。私孤児院の買い物してて帰るの忘れてたわ」
「おや。それは大変ですね―――――どうします?明日にでも、私が貴女を引き取ることにでもしますか?一応戸籍の関係もありますし」
「孤児院に戸籍なんてあるのかしら?」
「―――――――さぁ。そこまで詳しくは分かりませんが、一応街で出会ったときなど困りますよ」
彼らのことだから私を見たら急いでその場から立ち去るだろう。しかし一応私は17歳ということになっている。世間体のこともあるだろう。
ここは彼に引き取ってもらうか。孤児院は喜んで彼に私を譲るだろう。
「分かったわ。明日、私を保護者として引き取って頂戴。そうすれば私も"本業"が出来るようになるわ」
「分かりました。では明日、孤児院の方に向かいましょう。ミセス・ラベットの方は私から話をしておきます」
そう言うと立ち上げって出て行こうとすると急に立ち止まり、
「―――――どうします?私が貴女を引き取る理由」
「子供が欲しくなった。それでいいんじゃない?ミセス・ラベットの手伝いをやってもいいわよ」
彼は納得して出て行った。