500年の復讐
孤児院
「サーシャ!!あんた、どこに行ってたのよ!!夕飯の買い物に出てから帰って来ないから心配したのよ」
前の来訪者から4,5歳の子供を預かったシスターは、門の前に立っている私を見つけて大声を上げた。
心配は私ではなく、夕飯の心配だろう。17歳の内気なサーシャを演じる。
「―――――ご、ごめんなさい。帰ろうとしたらこの男の人に声をかけられて」
「男の人?」
私の後ろに立っているワインレッドのスーツに身を包んだ不審な男に目を向けた。スウィーニーはシスターに微笑みかけ、
「実はこの娘を引き取ろうと思いまして」
その言葉を聞いた途端、目を大きくして私を見つめた。
「なぜこのような男はこの娘を引き取るのだろう?」
とでも言っているような形相だ。
「―――――では簡単な手続きをしますのでこちらへ。サーシャは待っていなさい」
そう言い残してシスターは孤児院へ向かった。スウィーニーは私を振り向き、
「大丈夫ですよ」
そしてシスターと共に孤児院に消えた。