500年の復讐



 異端審問官は『あの子』の体をばらばらにしていく。斧を刺すたび血が飛び散り異端審問官の顔や服を真っ赤に染めていく。

 それでも口は止まらない。
 魔女容疑にかけられた人々はこうやって目の前で関係者をばらばらにされて関係者の殺し方を聞かされたのだろうか。
「そして関係者を追い詰め、まず頸動脈を切る。パサッとね。血が流れていることを感じさせ恐怖に貶める。止めようとしても止まらない。そしていい頃を見計らって斧で首を切り落とす。今さっきまで恐怖のあまりに泣き叫んでいた関係者は動かなくなる。それが堪らなくてね・・・・」
「さぁ。どうだい。私が『あの子』を切り刻んで。しかし、『あの子』とはもう呼べないね。だって私がこんな風にばらばらに切り刻んだからさ!!楽しかったよ。ここ最近
魔女容疑の奴が現れなくなったからね。」

 そう言って斧から滴る血を舌で舐める。

「どう?血ならいくらでもある。我が子の血を舐めてみないか?」

 化け物だ―――こいつこそ悪魔に取り憑かれている――――酷すぎる―――。

 床には血溜まりができている。いろいろなところには肉の破片が飛んでいた。

 我が子がこんなになってしまうなんて―――――――



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