500年の復讐
「サーシャですか―――フランス系ですね」
「生まれもこの国よ―――確か」
ふぅ~ん、と声を出すと本題に入るように膝の上に組んだ腕を乗せた。
「―――さて、同じ臭いのするサユベルさん。貴女は何故この『道』に?」
ベッドに座り直す。
「あら、この国の紳士は落ちぶれてしまったのかしら?私から話すことはないんじゃない?」
するとほくそ笑み、
「ご無礼なことを申し上げました。では、私からお話しましょうか――」
「聞かせて頂戴」
私もほくそ笑んだ。
すると男、トッドは立ち上がり、暖炉の前に立った。彼の顔は炎で赤く照らされている。
「――――――あれは―――何年前になるんでしょうか―――」
トッドは天井を仰いだ。