涙が出るほど愛してた
メールで育んでいった二人の恋
彼のステージは無事に終った。私は凄く嬉しかった。でも、あの日のキスはもっと嬉しかった。

私と彦さんが急接近するのに時間はかからなかった。
生徒には、携帯メールパチパチ打っていたらいつも叱っている立場の私。でも、休み時間になると急いで職員室へ行ってはメールのチェック。
大人気ない…。
でも、なにげない彼の一言一言が嬉しかったんだ、私。

「里香、今日は凄く寒いね。ライブもあるんだから無理しないでね。俺の為にも元気に笑ってね。」

「彦さん、今日はね授業が少ないから楽だよ。でも、そろそろテストの準備しなきゃね。いろいろ教えてね。先輩先生!」

「里香、今日の夜、会えないかな?」

「やった~!!2回目のデートだね!」

「そうだね。里香との2回目のデートだね。俺、迎えに行くから家で待っててね」

「了解~!!」

教師という立場でありながら、こんなメールを勤務中にやりとりしていた私。罪悪感は無かった。高校生と一緒だ。
バレなければ問題なし!


…私、深入りするなんて思ってもみなかった。奥さんも子供もいる彼方に。
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