【短集・ホラー】白紙の小説
あ、そうそう。
私のところに居るのは、保護されたものたちなんです。
そのため安いですし、だからといって、普通の子達と変わりませんからご心配なく。
え?随分大きなマスクをしてるって?
ええ、まぁ………
花粉症かって?
そうですね……そういうことにしておきましょうか。
え?いや、何でもないですよ。
あ、そんなことより、
着きましたよ?
暗い倉庫でちょっと不気味?
大丈夫ですよ。確かに見た目は悪いんですがね。
ちょっと待って下さい。
今開けますから……
え?異臭します?
ああ、そりゃそうですよ。
だからマスクしてるんですもの。
よいしょっと……
はい、静かにー!!!
お客様に吠えないの!!
うるさいな……
でも可愛いでしょう?
私が必死こいて集めたんですよ…
ほら、皆、飼ってほしいみたいですね。
あなたを見て唸ってる。
……どうされました?
お顔が真っ青ですよ……
って、お客様!?
あ~あ、行っちゃった。
お前ら、そんな悲しい顔しないの。そんなに出してほしいの?
お前らがうるさく喚くから逃げちゃったんでしょうが。