【短集・ホラー】白紙の小説
家を出て、見慣れた君の家へ向かう。もう私の第二の家だよ。
電気は点いてる。
君は居るんだね。
インターフォンを押して、緊張しながら君を待つ。
何て言おう。
愛してるよって言って、君にキスしたい。
だけど君は出てこない。
おかしいな。居るのに……
まぁいいや。仕事で疲れてるから寝てるのかも。電気くらい消せば良いのに。
合鍵使えば中に入れるけど、君が寝てる時に入るのは躊躇われるしな……プレゼントはドアノブにかけとこう。
君の家のドアに軽くキスをして、バイバイした。
自宅に帰ると、私はベッドに寝転がった。
あれ、何かテーブルに置いてあるよ?
…………指輪だ!!
君からのプレゼントかな?
ふふ、本当に照れ屋さんなんだから。いつの間に私の家に来たんだろう。嬉しいな。
指輪を左手の薬指にはめて、私は眠りについた。
君が傍に居るような……
そんな感覚がして、私は幸せな気持ちで眠った。