【短集・ホラー】白紙の小説
俺はシャットダウンするというボタンをクリックした。
いつもならそこで、デスクトップがモノクロになって消えていく。
なのに、今日は。
「!!?」
シャットダウンする、というボタンをクリックした途端、
急に画面が真っ暗になってしまった。
「何だ…?」
こんなことは、
まず有り得ない。
故障したのかと思い、何度もクリックをしてみた。
真っ暗な画面の中に浮かぶ、白い人間のような人差し指の形をしたカーソル。
何だか嫌な予感がした。
カチカチカチカチ
カチカチカチカチ
……何でだ
何で動かない?
その時、真っ暗な画面に映る人差し指のカーソルが、動かなくなった。
「は!?」
マウスを動かしても、人差し指の形をしたカーソルは全く動かない。
急に寒気が襲う。
背中に嫌な汗が伝う。
「…………」
気のせいか?
家には
俺だけだ
俺1人だけだ
なのに
何かの視線を
感じる