空のいろ
 それでも、私はお昼休みになれば、屋上に来ていた。

 ひとりでいる屋上は、広く感じた。

 私は、あの日のように大きく伸びをした。

 広がるのは、青い空。
 どこまでもどこまでも青い空。

 このまま、空の青に溶けてしまえたら、なんてガラにもないことを考えて苦笑した。


「…好きです。大好きでした…」

 初めて口にした彼への想い。
 受け取る相手のいない告白は、青い空に吸い込まれて消える。

 彼への想いを初めて口にしたことで、我慢していた感情が溢れた。

 溢れてくる涙は、しばらく止まらなかった。










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