空のいろ
   * * *

 少し湿気を含んだなま暖かい風が通り過ぎた。

 空は静かに色を変えていく。
 まだ残る少しの青が紫に、そしてオレンジに変わっていく。

 私は静かに息を吸い込み、気持ちを切り替える。

 夕方の忙しい時間、気分転換に屋上に来た。
 すぐに戻らなくてはならない。



 あれから、3年が過ぎ、私は仕事が楽しいと思えるようになった。

 それは絶対に彼のおかげで。


 私の中にあった消化不良の気持ち。
 最後に言えなかった彼への言葉。


「ありがとう」





 私はこの場所で、生きていく。

 あなたはあなたの場所で、がんばっているだろう。


 だから、私はこの空の下、あなたと繋がっているこの空の下で、がんばれる。






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