空のいろ
「明日は、雨らしいよ」
「そうなんですか…」
雨が降ったら、屋上には来れない。
分かりやすく落胆した私に、笹木課長は笑って言った。
「桜さんは、ここ好きだよね」
私が好きなのは、ここじゃない。
ここで過ごすあなたとの時間。
決して口に出しては、言えない。
だって、彼は…
「そういえば、昨日、妻が初めての料理を出してくれたんだけど……」
そう、笹木課長には奥さんと子どもがいる。
最初から、わかってた。
彼の左手の薬指。いつだって、輝いて見える。
「そうなんですか…」
雨が降ったら、屋上には来れない。
分かりやすく落胆した私に、笹木課長は笑って言った。
「桜さんは、ここ好きだよね」
私が好きなのは、ここじゃない。
ここで過ごすあなたとの時間。
決して口に出しては、言えない。
だって、彼は…
「そういえば、昨日、妻が初めての料理を出してくれたんだけど……」
そう、笹木課長には奥さんと子どもがいる。
最初から、わかってた。
彼の左手の薬指。いつだって、輝いて見える。