空のいろ
 笹木課長との別れは、突然訪れた。


 いつものお昼休み。
 いつもの屋上で、いつものように笹木課長と話をしていた。

 さすがに、8月のお昼ともなると、屋上の気温は上がり、コンクリートの照り返しもあって、すごい暑さだ。

 それでも、私も笹木課長も屋上へ来る。
 私たちのこの日課を知っている人がいたら、確実に馬鹿だというだろう。

 私たちは、僅かな日陰に身をおいている。



 この日は、やけに蝉の鳴き声が耳についた。








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