イケメン*キッス
二人の距離
「おはよう!まゆ、今日も学校頑張ってね」
朝から機嫌よくあたしに話し掛ける母親。
いつもは忙しいって言って家にいないのに。
理由は一つ。
「ホント信じられないわぁ!あの櫻井財閥の方から婚約を申し込まれるなんて!!」
………我が親ながら都合がいい。
実は昨日、櫻井君が家に連絡を入れてくれたみたい。
話進むの早いよー!!
「いってきます…」
あたしは、元気なく登校した。
ガチャ
「おはよ」
………えー!?
「櫻井君?!…何で?」
玄関のドアを開けたら櫻井君が立っていた。
「迎えに来たんだ。婚約者なんだから当たり前だよ」
当たり前…かな?
黒のベンツが停まっている。
あたしも一応お嬢様だけどベンツなんてない。
「さ、行こう?」
そういって、手を差し出してくれた。
「……ありがとう」
あたしは櫻井君の手に自分の手を重ねた。
うぅ〜
すっごいドキドキするよ…