片思い彼氏scene.バレンタイン
「先生…ごめんね…迷惑かけて……」
「……大丈夫だよ」
比較的、山岡さんは意識もはっきりしていて特に危険性はなかった。
良かった……
「ねぇ先生…私…ね、車にぶつかる瞬間に先生の顔が見えたの……」
「………?」
「死ぬかと思っちゃった……でも根性強く生きてるけど(笑)」
クスッて笑った山岡さんに俺は何となく罪の意識を感じた…。
俺のせいで事故起こしたって言えなくもないよな…
きっとそれさえなかったら事故なんて…。
「…もしかして自分を責めてる?先生」
突然の彼女の言葉に心を読み取られた気がした。
「大丈夫…先生に謝られたら……私もっと寂しくなっちゃうから…」
俺のスーツを握りしめてきた彼女…少しシワが寄った。