姫と王子。
「お邪魔しま~す。」
私の部屋は3階。
部屋に向かって階段を上がる。
――バタン―
部屋に入ってドアを閉める。
大好きなサイケを
大音量で流す。
恭二と二人でベットに腰を掛ける。
「携帯見せて。」
いつものお決まり………
私は恭二に携帯を渡した。
この日はメールにロックを
掛けていた。
まだ優とメールもしてないし
なんの意味もなく
気分的に。
「なんでロックなんかしてんの?」
「いいじゃん、別に♪」
「やましい事でもあんのかよ。」
「ないよ!気分的にだし。」
「ロック番号教えろよ?」
「0527………だよ。」
恭二は何も言わずに
私の携帯を見ている。
別にやましい事なんてない。
だけど、私の心のどっかで
優の事を隠そうとしてる
やましい気持ちが
あったのかもしれない。
「はい。」
恭二は携帯を渡した。
「もういいの?恭二も見せてよ。」
「やだ。」
恭二の携帯は常にオールロック。
絶対に携帯は見せてくれない。
付き合い始めの頃は
これが悩みだった。
「あっそ。」
恭二が私に隠してる事が
あるのはわかる。
女ネタが多いのも知ってる。
恭二は有名だし
顔広いし……。