姫と王子。

そんな事考えてても
拉致が開かない。


まして一度信じるって決めたし
最後まで信じないと……。



この日、恭二は終電で帰った。

結局、火曜日会えない事は
言えなかった。

あんなに優しい恭二に
言えるはずなんてないよ……。

ごめんね。



帰ってる途中も
恭二から電話が掛かって来て
恭二が家に着くまで
ずっと電話で話してた。



「……そろそろ家着く。」

「そっか。
じゃあ切るね。」

「おぅ。
あっ!!ちょっと待って!!!」

「なに?」

「火曜日さ、休みだから♪」

「わかってるよ。じゃあね」


休みだから………会おう??
言葉の続きを聞きたくなかった。

聞いたら胸がいっぱい
なりそうだったから……。


恭二は、私に会いたいって
思ってくれてるのに
火曜日だけ私は違う男と
遊ぶ。


恭二との約束を破る事になるし……

『俺以外の男と遊ぶな。』




ごめんね…………
恭二…………

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