愛しい遺書
「……堅気だよね?」

あたしは翔士の横顔を覗いた。

「もちろん!」

翔士は大きく頷いてあたしを見た。

「……カッコいいじゃん」

あたしが微笑みながら言うと、翔士は疑うように

「ホントに?さっきビビってたじゃん」

と言った。

「だって、ガン見されてたから……」

龍を指差して言うと、翔士は安心したように笑った。あたしはふと、さっきテレビで見た占いを思い出した。

「あ……」

「……何?」

「あった。しし座の今日のラッキーアイテム……置物じゃないけど」

翔士も思い出して笑った。

「オレ、何気に役に立ってんじゃん」

そしてあたしの方を向き、膝の上に跨ると

「……龍と虎に困ったら、いつでも呼んでよ」

と言ってあたしにキスをした。

ドレスを下から捲り上げ、脱がせると、翔士はデニムを下ろした。あたしを優しく押し倒すと、首筋を舌で撫でた。我慢できずに仰け反ったあたしを翔士は激しく攻めた。翔士の舌はあたしを可愛がる事を止めず、首筋から鎖骨、そして胸まで一度も休まず動いた。あたしの体は鳥肌が止まず、何度も押し寄せる快感に、翔士の背中を掴んで鳴き続けた。

Tバッグに手が下りる頃には、あたしはもう恥ずかしい程びしょ濡れになっていて、それが更に翔士に火を付けてしまった。翔士の指はあたしの中に入って来ると直ぐにあたしの「ツボ」を見つけ、激しく撫でた。あたしは狂ったように悶え、気を失ってしまわないように大声で鳴いた。攻め続ける翔士の指を押し出すように、あたしの中から何かが溢れ、それと同時に体がガクガクと震えた。

「キキ……大丈夫?」

そう言って翔士はあたしの目からいつの間にか零れていた快感の涙を、自分の手で拭った。あたしは擦れた声で「うん」と言うと、翔士は優しくキスをした。

下着を脱ぐと、あたしの背中に腕を回しゆっくりと入ってきた。興奮がおさまらないあたしの体は、またスイッチを押されたように快感の波を何度も立てた。翔士はあたしを優しく、激しくを何度も繰り返し突き上げ、あたしは翔士の背中にしがみつきながら涙を流して泣き叫んだ。

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