極上な恋をセンパイと。
「……着てる……?」
センパイに触れられたスカートも、そのまま。
さすがにシワシワになってしまっている。
ちょ、ちょっと待って?
えーっと……えーっと、思い出せあたし。
うーんと唸ると、とにかく気分がよくて。
シャンパンを一本あけてしまって、それで焼酎飲んでた気が……。
って、いやいや!
お酒をどれだけ飲んだかじゃなくて……。
あたし、センパイに変な事してない?
あのままの勢いで襲ってないよね!?
「あ、あのぉ……あたし、なにか変な事言ってませんでしたか?」
たとえば、センパイが好き……とか。
かあ、と頬が火照る。
「は?」
センパイのアーモンドの瞳が瞬いた。
「お前……まさかなんも覚えてねーとか?」
「は、はい……」
コクリと頷くと、はあと盛大なため息と共に、センパイは「あっそ」と目を細めた。
部屋のドアにもたれかかっていたセンパイはガシガシを黒髪をかき混ぜて、キッチンに向かう。
その背中を追いかけて寝室から飛び出ると、ソファにはクシャクシャになった毛布が。
え、もしかして……。
「センパイは……こっちで寝てたんですか?」
「そうだけど」
茫然とソファを眺めたままそうつぶやくと、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出したセンパイがなんとも面倒臭そうに答えた。
「ご、ごめんなさい!あの……あたし勝手に寝ちゃったんですね……」
「ほんと。泣くわ喚くわ。 あげくさっさと寝ちまうし」
しゅんとうな垂れていると、今度はなんだかからかうような声。
「えっ!!?」
泣きわめいてたの、あたしっ!!?
ギョッとしたのと同時に、カッと頬に熱がこもる。